ゴキブリ、クモ、アリ、チョウバエなど 〜熊本で秋冬に躍動する害虫たち〜

「寒くなってきたから虫もいないんじゃない?」
毎年、秋や冬になるとお客様からそう聞かれます。
この認識は大体正しいのですが、害虫は秋〜冬季でも「出る時は出る」というのが実情です。
この記事では秋と冬のシーズンに当店の現場で出没した害虫たちを写真つきでご紹介します。
(※虫の写真が大量に出てきます。苦手な方は閲覧注意です)
クロゴキブリ
確認日: 12/01 出没箇所: 一般家庭(屋外・庭)
クロゴキブリは熊本でもよく見られる屋内性ゴキブリの一種です。
屋内性ゴキブリとしては、他にもワモンゴキブリやチャバネゴキブリがいますが、クロゴキブリが最も寒さに強いため、冬季でも生息が確認されます。

写真はクロゴキブリの幼虫です。
屋外に設置したシロアリ用のトラップに侵入していました。
屋外では資材や落ち葉の下など比較的保温性が高い場所で越冬するのでしょう。
確認日: 12/05 出没箇所: 食品工場
耐寒性のあるクロゴキブリは冬季でも侵入被害を起こします。
写真は食品工場の定期モニタリングで捕獲されたクロゴキブリです。

確認日: 12/08 出没箇所: 飲食店
飲食店でもクロゴキブリの侵入がありました。
店舗の表口付近で捕獲されていたため、引き戸の隙間から侵入したのでしょう。
ゴキブリの幼虫は小型で扁平であるため、わずかな隙間でも侵入するリスクがあります。

ワモンゴキブリ
確認日: 12/02 出没箇所: 食料品店
ビルなどの屋内であれば、温度もそれほど下がらないためワモンゴキブリも出没することがあります。
写真は食料品店のシンク下で捕獲されたワモンゴキブリの幼虫です。
クロゴキブリの幼虫と同様、小さく扁平な体なので壁や床の狭い隙間から侵入してきます。

チャバネゴキブリ
確認日: 12/08 出没箇所: 飲食店
チャバネゴキブリは極めて繁殖力が強いので、現場で捕獲を確認した時はギョッとしました。
幸いにも捕獲されたのは写真の1匹のみで、繁殖の形跡は確認されませんでした。
チャバネゴキブリは食材等の仕入れに伴って移入することがあり、冬季であれば冷蔵庫のモーター周りなどの熱源で繁殖するため油断禁物です。

チョウバエ
確認日: 12/02 出没箇所: 飲食店
チョウバエは屋内で年中発生しうる害虫です。
チョウバエは光に近づく性質(走光性)があり、客席の照明にも寄ってきます。
下の写真のように壁の色が明るいとチョウバエの存在が目立つので、利用者に不快感を与え、お店のイメージダウンにつながるリスクがあります。

チョウバエはシンクや排水設備などにできたヘドロで繁殖します。
こちらのお客様ではヘドロの溜まったグリストラップで大繁殖していました。

チョウバエはかなり繁殖力が強いため、「ゴキブリは出なくてもチョウバエはよく出る」という現場も珍しくありません。
発生を抑えるという面ではゴキブリよりも厄介な害虫です。
確認日: 12/04 出没箇所: 食品工場

チョウバエは冬の食品工場でも繁殖することがあります。
繁殖を防ぐには排水溝など水周り設備の定期的な清掃が欠かせません。
イエオニグモ
確認日: 12/01 出没箇所: 物流倉庫
写真は物流倉庫で捕獲したイエオニグモです。

最終的にこの日の作業では30匹程度駆除されました。
クモの活動性も冬季は低下傾向にありますが、年間を通じて一定の生息は確認されます。
物流倉庫のような大型の事業所では、冬場でもクモがいなくなることはまずないでしょう。
物流倉庫にクモが営巣すると、天井から糞や食べカスが落ちてくるので、商品の汚染や異物混入が発生しかねません。

冬季でも駆除をしっかり行うことが大切です。
ユウレイヒメマキムシ
確認日: 12/01 出没箇所: 病院
ヒメマキムシはカビを主食とする、若干マイナーな害虫です。
お客様からの相談で調査したところ、業務用エアコンの周りにできたカビで発生していました。
写真の赤い矢印で示した黒い点がユウレイヒメマキムシです。

ユウレイヒメマキムシは全長1〜2ミリのかなり小さな昆虫で、顕微鏡を使わないと詳細な観察はできません。

ヒメマキムシはカビを主食にするので、とにかくカビを生じさせないことが大切です。
被害に遭われたお客様もエアコンの防カビ施工を実施予定です。
イエヒメアリ
確認日: 12/01 出没箇所: 飲食店
写真の赤い矢印で示した茶色い個体がイエヒメアリです。

全長は2ミリ程度の小さな体で、建物のわずかな隙間から侵入できるため、侵入のブロックが難しい害虫です。
今回はレストランの厨房の片隅で発生していました。
チョウバエほか走光性飛翔害虫
確認日: 12/10 出没箇所: 飲食店
チョウバエや蛾などの飛翔害虫には、光に寄ってくる性質(走光性)を持つものが多いです。
飛翔害虫の多くは小さいため、普段はなかなか侵入に気づきにくいですが、捕虫器(ライトトラップ)を設置していると、侵入状況が可視化されます。


こちらのお客様ではオオチョウバエを中心とした捕獲がありました。
春〜夏季よりは捕獲数は少ないですが、冬でもそれなりに侵入してくることがわかります。
飛翔害虫は目立たないことが多いため、対策が遅れがちになりますが、異物混入の原因にもなるので要注意です。
オオクロバエ
確認日: 12/16 出没箇所: 飲食店
オオクロバエはハエの中でも比較的低温を好みます。
このため気温の下がる秋〜冬にかけて出没が目立ちます。
写真は飲食店の屋外に設置したハエ用トラップの捕獲状況です。

オオクロバエを中心として100匹超の捕獲がありました。
おわりに
寒さが厳しくなる冬場でも、害虫は油断できません。
ゴキブリやチョウバエ、クモなどは暖かい場所や水周りを拠点にして、思わぬ被害をもたらすことがあります。
当店では、定期的な点検・駆除を通じて、安心・安全な事業運営をサポートします。
飲食店をはじめとして、病院や保育・福祉施設、食品工場、物流倉庫に至るまで、多種多様な事業環境とニーズに対応した防除計画をご提案いたします。
(定期管理についてこちらもご覧ください)
冬場のうちにしっかりと害虫対策をしておくことが、安定した衛生管理や円滑な事業運営につながります。
ぜひ当店までお気軽にご相談ください!


