排水溝からコバエが… それってチョウバエかも!? 原因と対策方法まとめ

 

サービススタッフの三角です。

 

早速ですが、「最近、コバエが多い」と感じる事はあるでしょうか?「コバエホ○ホ○を使ってみたけれど、中々 捕まらないし減りもしない」という方は要注意です。

 

それ、コバエじゃなくて “チョウバエ” かもしれません。

 

という訳で今回のテーマは『チョウバエ』です。チョウバエ──私事ですが、この仕事を始めるまでは聞いたことのない昆虫でした。

 

 

チョウバエとは?

 

チョウバエは体長数ミリほどの飛翔害虫で、一見するとコバエと区別がつかないかもしれません。名前に「ハエ」がつき、トイレにも出没することから「便所バエ」とも呼ばれるようですが、生物学的には蚊の仲間です。

 

不快害虫で特に問題になるのはオオチョウバエ(体長約4mm)とホシチョウバエ(体長約2mm )の2種類です。どちらかと言うとオオチョウバエの方が広く認知されているように見受けられます。でも害虫駆除の点検を行っていると、ホシチョウバエに遭遇するケースの方が多いです。

 

 

下の写真の左側がホシチョウバエ、右側がオオチョウバエです。こちらのオオチョウバエはやや小ぶりな個体ですが、ホシチョウバエの2倍くらいのサイズです。オオチョウバエは比較的目立つので、飲食店の客席などに侵入して問題になることがあります。一方、ホシチョウバエは小さくて目立たないため、気づかないうちに繁殖してしまう恐れがあります。

 

 

チョウバエは主に水周りのヘドロ(スカム)で繁殖します。ヘドロの原料は食品や排泄物などの有機物と水ですから、水周りの清掃が不十分であればどこでも──家庭でも事業所でも発生し得ます。

 

チョウバエは蚊の仲間ですが、日本で一般に見られる種は吸血性ではありません。しかし、ヘドロで繁殖する昆虫なので、衛生的とは言えないですね。

 

チョウバエの成長スピードは早く、2〜3週間程で卵から成虫になります。繁殖力もあり1回の産卵で200〜300個くらいの卵を産みます。成虫の寿命は最長2週間程度と短いですが、成長スピードと繁殖ペースが早いため、かなり厄介者な害虫であると言えます。

 

屋外では5〜7月に多く発生しますが、屋内では暖房で温度が保たれるので、年中発生します。実際、飲食店などでゴキブリ駆除の点検を行っていると、調査用トラップの中にチョウバエが捕獲されているところを良く目にします。ゴキブリが滅多に出ないような清潔な事業所であっても、チョウバエが捕獲される事は珍しくなく、発生防止という点に限れば、チョウバエはゴキブリ以上の介者であると言っても過言ではありません。

 

 

チョウバエはどこで発生するか?

 

・一般の家庭の場合

 

一般の家庭では以下のようなところでチョウバエが発生します。

 

①シンクの排水口

 

②トイレの水洗タンク

 

③風呂場の排水口やユニットバスの内部

 

ユニットバスは側面や浴槽の裏側にヘドロが溜まりやすく繁殖源になります。

 

 

・事業所の場合

 

事業所では以下のようなところで発生します。

 

①シンクの排水口

 

②大型冷蔵庫や食器洗浄器、製氷器の下など

 

③排水溝

 

④グリストラップ

 

⑤トイレの水洗タンク

 

⑥汚水槽

 

⑦(介護施設などの風呂場がある事業所)風呂場の排水口やユニットバスの内部

 

水を使って床を清掃する場合、ゴミの除去や乾燥が不十分だとヘドロもできやすくなるでしょう。特に厨房では、什器や冷蔵庫などの機材の下に食品カスが溜まりやすいため、チョウバエがより発生しやすいといえます。

 

また、給排水設備で水漏れが生じて、漏水箇所にできたヘドロから繁殖した事例もあります。

 

 

チョウバエを駆除するには?

 

ステップ①:清掃

 

チョウバエの最も効果的な駆除方法は「水周りの清掃」です!ヘドロで繁殖する害虫ですから、お掃除で繁殖源を除けば良いのです。

 

もう少し詳しく説明すると、チョウバエ駆除は幼虫への対策が中心になります。先述の通り、チョウバエの寿命は短く、成虫は最長2週間程度しか生きられません。一方で成長ペースは早く、2〜3週間前後で卵から成虫になります。

 

少し乱暴な言い方ですが、成虫は放っておいても短期間で寿命が尽きるので、「後続を徹底的に断つこと」が重要です。したがって幼虫への対策、清掃が鍵となります。

 

給排水設備の漏水が原因でチョウバエが繁殖している場合は、水道屋さんに水漏れを修理してもらいましょう。何よりもまず繁殖源を断つことが要です。

 

ステップ②:殺虫剤の使用

 

幼虫の駆除が最も有効とは言っても、構造上どうしても清掃しにくいところもありますし、成虫が飛び回っているのもやはり気になるでしょう。そんな時には殺虫スプレー等で駆除できます。

 

殺虫剤はチョウバエに対応しているタイプを選びましょう。チョウバエの駆除に限ったことではありませんが、殺虫剤などを使用する時は注意書きをよく読み、対象害虫や使用方法を把握することが大切です。よくコバエ駆除用の置き型のトラップがスーパーなどで販売されていますが、このタイプの駆除キットはチョウバエ駆除には使用できません。置き型のトラップは、誘引剤の臭いでハエを誘き寄せて捕獲する仕組みが多いですが、蚊の仲間であるチョウバエは臭いに寄って来ることはないので、捕獲効果は期待できません。

 

チョウバエは比較的認知度が低く、またショウジョウバエ等と混同されやすいため、駆除方法を間違えがちです。記事冒頭で挙げた「コバエホ○ホ○を使ってみたけれど、中々 捕まらないし減りもしない」といったケースが正にそうです。

 

ステップ③:侵入ルートの封鎖

 

チョウバエの侵入口を封鎖するのも有効です。例えば、シンクの排水口に「ベルトラップ」が付いている場合は、正しく設置する必要があります。

 

ベルトラップは排水管から悪臭や害虫が侵入するのを防ぐ役割があるので、正しく取り付けられていないとチョウバエが侵入する事があります。

 

チョウバエだけでなく害虫対策全般に共通することですが、ドアや窓をこまめに閉めたり、網戸を使用したりすることも重要です。特に飲食店など食品を取り扱う事業者の方は気をつけましょう。

 

 

 

ダスキンのチョウバエ駆除サービス

 

ここまでで自分でできるチョウバエ対策を解説しました。でも、プロの業者に駆除を依頼した方がよいケースもあります。例えば…

 

①チョウバエを自分で駆除する時間や余力がない。

②自分で頑張って駆除してみたけれど、チョウバエの発生が止まらない。

 

「そもそも駆除したい害虫がチョウバエかどうか判別できない」という方もいらっしゃるでしょう。ぜひお気軽に当店までご連絡ください。

 

では、ダスキンのチョウバエ駆除サービスをご紹介します。

 

 

サービス①:幼虫駆除

 

ダスキンのチョウバエ駆除も幼虫への対策が中心です。排水溝やグリストラップなどの繁殖源に、幼虫の成長を抑制する薬品を施工します。

 

下の写真は食品工場の集水枡に成長抑制剤を散布しているところです。この集水枡のようにきちんと清掃されていると高い施工効果が期待できます。一方、水周りにヘドロが溜まりすぎていると、殺虫剤の成分が隅々まで届かないため、効果が限られてしまいます。薬品散布で幼虫駆除を行う場合でも、定期的な清掃が不可欠です。

 

 

 

サービス②:成虫駆除

 

幼虫駆除がメインですが、チョウバエは繁殖力の強い害虫なので、成虫駆除も導入するとより効果が高まります。特に飲食店では、客席に成虫が侵入して利用客に不快感を与えるので、営業の観点からもおすすめいたします。

 

チョウバエの成虫は光に寄って来る性質(走光性)があるため、捕虫器や蓄光式のライトトラップを設置して捕獲駆除します。

 

下は当店のお客様が導入しているインテリア捕虫器です。接写なのでイメージはつきにくいかもしれませんが、照明器具のような外観なので、客席に設置してもあまり違和感がありません。

 

 

インテリア捕虫器の捕獲状況です。オオチョウバエを中心に捕獲されています。この写真は衛生的な飲食店での施工例で、かつ冬季に撮影したため、数十匹程度の捕獲量ですが、チョウバエの繁殖が著しい現場では数百匹クラスでの捕獲駆除が可能です。

 

 

 

もう少し捕獲効率を上げたいお客様には、中型捕虫器をおすすめしています。インテリア捕虫器に比べるとやや無骨なデザインなので、どちらかというと厨房に設置されているお客様が多いです。数千匹クラスの捕獲駆除が可能です。

 

 

チョウバエの繁殖が著しい現場では、「とにかく早く成虫を退治したい」という声が寄せられます。そのような場合は空間薬品処理を実施します。部屋の窓やドアを閉め、換気扇も停止させた密閉状態で、部屋中に殺虫剤を充満させる方法です。「業務用のバル○ン」と言えばイメージしやすいかもしれません。ただし、空間薬品処理はあくまでも”成虫を短期間で駆除する”施工であり、幼虫の駆除はできません。幼虫駆除を実施せずに空間薬品処理を行なっても、2週間程度で生息数が回復してしまいます。繰り返しになりますが、チョウバエ駆除は幼虫対策が基本です。

 

 

 

まとめ

 

今回はチョウバエとその対策について解説しました。基本的な点をまとめると以下の通りです。

 

① チョウバエとは?

体長数mmの飛翔害虫。水周りのヘドロで繁殖する。繁殖ペース・成長スピードが早い。

 

②チョウバエを駆除するには?

幼虫対策が基本で水周りの清掃を徹底することが重要。他にも侵入口の封鎖や殺虫剤の使用などで対応できる。

 

当店は飲食店をはじめとして、食品工場や病院など多種多様な事業所でチョウバエ駆除を施工した実績があります。チョウバエでお困りの場合はぜひ当店にご相談ください!